「小学生の時、お母さんに叩かれてた・・・今はないけど・・・。」
出会ってそろそろ1年ぐらいの頃、思い出を振り返るような穏やかな口調で、
Aさんが面談中に話してくれました。
Aさんは月に1回程度私と面談しています。
出会った頃は自分から話すことはほとんどありませんでした。
そして、私は、
「そのこと、小学生の時誰かに言えた?」
と聞くと、
「言ってない。ヒロさんが初めて。ヒロさんにだけ知っててもらえばいいかなって。」
私はこの瞬間かなり舞い上がりました。「そっか~!私だから話せたんだ!」と。
しかし、その心のうちは隠しつつ、
「話してくれてありがとうね~。」
と抑えたトーンで答えたのでした。
この時の私はまだ青かったと今は思えます。
私だから聞き出せた!わけではない、と今は思います。
Aさんは、叩かれたことを誰かに言うことができない状況だっただけで、
偶然そのタイミングに私が関わることができた「だけ」だと思うのです。
本人の成長も影響しますし、置かれた環境でも表れは変化します。
中学生になり成長して、思いをうまく言語化できるようになったこと、
「面談」という二人だけの安心安全な場所だったことなどが要因だと思います。
うっかりうぬぼれたままにならないことを心に留めるためにブログに残すことにしました。