スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

教員へ問いかける(コーチングの技術を使う)

未然防止的活動

私たちスクールソーシャルワーカー(以下SSW)は、社会福祉士精神保健福祉士の国家資格を持っている方が多いです。文部科学省がそれが望ましいとしています。

私は社会福祉士資格を平成29年に取得しました。SSWの活動を自信をもって行うためだけに取得しました。

福祉業界が長い人からすると異端なのかもしれません。

私はSSWの活動を始めた当初から、ケースに対しての個別の直接支援より未然防止につながる教員支援に力を入れたい思いが強くいありました。

そして、昨年生徒指導提要が新しくなり舵が未然防止へ向く前から行動を起こしていました。

教員向けの研修がその一つです。

実際に行ったことがあるのは「聴く技術」「自殺対策」の研修です。

先生たちが学校側からの一方的な伝達をやめ、まずは子どもや保護者の声を「聴く」ことで、学校はかなり変われるんじゃないかと思っています。

今後行いたい研修としては、「虐待」「ヤングケアラー」「不登校の子への対応」「多様性の尊重」「困難を抱えた子どもや保護者とのかかわり方」等です。

先生からの個別の相談に乗る中で助言等はすでにできています。

ただ、全ての先生には届けられない現状がもどかしく感じるところがり、研修したい思いが増しています。

先生に問いかける

個別の相談の今までの積み重ねで、先生たちに頼りにされているな、と感じる今日この頃です。

過日も、まだそこまで深刻ではない登校渋りのお子さんについてお伝えしていただけました。

お話を聴くと、家庭は特に大きな課題はなさそう、学校での友達関係でも大きなトラブルはなく、本人自身も学業等おおきな辛さがあるようには見えないお子さんだということでした。

「学校へ行く意味がわからない」と言っている、とのことで、どんな支援が必要なんだろうか、と、私、担任、主幹教諭で話していたのでした。

先生たちは、私かスクールカウンセラー(以下SC)に話を聴いてもらった方がいいと思っていたようでした。

そこで私が「学校に来ないことでどんな損失がありますか?」と先生に問いかけました。

すると、主幹教諭がその答えをすらすらと話してくださいました。

私は「それをお子さんに伝えたらどういった反応が返ってきそうですか?」と担任に問いかけました。

すると、「納得しそうですね~。」との答えでした。

私は「じゃあ、SSWやSCではなく、先生たちがお子さんと話した方がいいと思います。心を扱うより、思考を扱う方がいいように思いますがいかがですか?」とお伝えしました。

すると、お二人の目に輝きが見えました。この瞬間が私の一番求めている瞬間です。

気づきが生まれ、行動につながるスタート地点に立った瞬間と感じ取れます。

SCやSSWを活用しようとしてくれるところはありがたいけれど、先生がかかわってあげたほうが良い場合もあります。

こうした方がいいのでは?と説明して助言するより、問いかけることで自ら気づいた方が行動が促される、つまり、エンパワメントできると思っています。

また、結果的に仕分け作業もできたように思います。SSWはこういった活用もできると思っています。

 

~おまけの感想~
今回自然に先生たちに問いかけられたのは、民間のコーチングスクールで学んだ成果♪と思えています。