スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

SSWに理解のある先生との別れ

A教頭先生は、スクールソーシャルワーカー(以下、SSW)をどう使おうか考えてくださる先生でした。

昼休みだけ見回ってほしい、

〇〇親子が来校するからそのタイミングにいてほしい、

月に1回連絡会やるから出てほしい、

先生たちと一人ずつ面談してみない?

授業やってみない?

と、SSWの主な活動以外のことを提案してくださっていました。

おかげで、アセスメントやケース会議、面談以外にもできることがいろいろあることを知ることができました。

そしてA教頭先生は、「無料のものは使わないともったいないから!」とおしゃっていました。

SSWは実際には無料ではないのですけどね。

この話を聞いたとき笑ってしまいました。

 

B教頭先生はSSWの視点を学校に取り入れようとしてくださる方でした。

校内コンプライアンス委員会へ参加させてくださったり、

メンタル不調になったことがある先生を見守るよう伝えてくれたり、

校内を見回り気になった小さなことも「なるほど」と受け入れてくださる先生でした。

そして、SSWの提案、心配なご家庭への家庭訪問を許可してくだるなど、

を受け入れてくださっていました。

おかげで、こちらからいろいろお伝えしやすかったのでした。

B教頭先生は自己開示もしてくださり、

ちょっとした愚痴めいたことも話してくださったこと、

親近感が持てました。

 

C教頭先生はいろいろなことを一緒にやってくださる先生でした。

私がケース会議を提案すると開いてくださり参加してくださいました。

校内の居場所を作ることにも前向きに取り組んでくださいました。

相談室開放日を作ろうと取り組んでくださいました。

私はもちろん、先生方とも一緒になって家庭訪問等行っていました。

SSWの話も先生たちの話もじっくり聞いてくださるので、

事務仕事がいつも山になっていました。

時間外に私とじっくり1時間くらい話したこともありましたし、

私の愚痴を聴いてくださることもありました。

自分の特性や病気のことなども話せたことでストレス少なく勤務できました。

 

この教頭先生たちは、私をSSWとして成長させてくださった方々です。

こういった教頭先生とは離れがたく、もっと一緒に仕事をしたい!と思ってしまうのだけど、

短い時は2年でお別れとなってしまいます。

苦しいところをどうしようか、と一緒に考えてきた先生たちなので、

共に乗り越えてきた仲間、みたいな気持ちになり、

お別れがとても悲しい上に、次への不安が大きくなります。

もう、こんな先生に出会えないのでは?と。

実際、新しくきた先生を私とは合わないな、と感じることもあります。

全ての先生にSSWを理解してもらうのは難しいとわかっています。

でも、せめて管理職には理解してもらいたいし、そうでなければSSWが学校に来ている意味がなくなります。

4月からの勤務に不安が大きくなっている自分がいます。

 

子どもとの面談を頼まれる

子どもの声を聴きたい

私は、保護者や先生、支援員など、主に大人の話を聴くことが多いです。

その話の中心はお子さんですので、間接的にお子さんを支援していることになります。

しかし、お子さんが〇〇と言っていた、と保護者から聴いてたとして、

それが本当に子どもが言ったことなのかは聞けないことが多いのです。

私たち社会福祉士は弱者のアドボケイト(代弁)も主な活動の一つで、

社会においてはもちろん、学校においても圧倒的弱者である子どもの声を聴きたい、

と思うことも多々あります。

私から、お子さんとも面談させてもらっていいか、と尋ねる場合もありますが、

先生や保護者さんから依頼されることもあります。

家庭内でのしんどさがあるAさん

Aさんとの面談は担任の先生からの要望でした。

Aさんの学校での困り感を伺ったところ、

それってスクールカウンセラー(以下SC)が面談した方が良いのでは?

と思えて、管理職にも私が話を聴いていいものか確認しました。

確認したところ、学年部で話し合って決めたようだから、

スクールソーシャルワーカー(以下SSW)が聴いてあげて、とのこと。

ありがたいけどいいのかな?との思いを持ちつつ面談したのでした。

すると、家庭でのAさんの過ごし方がとても心配な状況で、

それを知った担任の先生はSSWを選んだのだな、と納得だったのでした。

顔を合わせた直後は、話すことなんて特にない、といった雰囲気でしたが、

私が質問するといろいろ答えてくれて、結局授業1時間分話したのでした。

そして、面談を終えて教室に戻った後のAさんについて、

担任の先生に面談で話せてすっきりした、と自ら伝えてきたこと、

表情も晴れやかだった、担任としても面談してもらってよかった、

と私に伝えてくださったのでした。

メンタルダメージのあるBさん

Bさんとの面談は保護者さんからの依頼でした。

定期面談しているBさんの保護者さんが、

Bさんに「SSWさんとの面談行ってくる。」と伝えて出ていこうとしたら、

自分も行きたい、と言い出した、とのことでした。

その日は保護者さんの分しか時間を取っていなかったので後日の約束をしたのでした。

約束で来た日まで少し日があったので、気持ちが変わらないといいな、

と内心ひやひやしていたし、当日やっぱり無理、行かない、となるのでは?

など思っていましたが、時間通りに来てくれたのでした。

すると、辛かった日々を語ってくれて、今まで誰にも言えなかった、

と伝えてくれたのでした。

そのつらいエピソードを想像し涙がにじみました。

これからも話したくなったら指名してね!というと、

大きくうなずいてくれたのでした。

定期面談していたCさん

Cさんは、私から保護者さんに提案して面談に至りました。

不登校でしたが、学年が変わった4月から何事もなかったかのように登校できました。

不登校真っただ中の面談は声も小さくて弱々しい雰囲気でした。

何事もなく登校できるようになっても面談を続け、

弱々しさは全く見えなくなりました。

子どもの可塑性ってすごい!と感じます。

AさんやBさんは、定期面談が必要な感じは今のところしないけれど、

ときどきは顔を見に行ったり、声をかけたりし、

細くつながり続けたいと思っています。

摂食障害を心配する

入院してしまったお子さん

私の中学校での勤務は、

依頼があった時と月に1回程度生徒指導部会に参加することです。

生徒指導部会で名前が挙がったお子さんで、スクールソーシャルワーカー(以下SSW)がかかわった方がよさそうなお子さんについては、その場で提案するようにしています。

A校で生徒指導部会に出たとき、摂食障害で即入院となったお子さんについて情報提供がありました。

私はこれが残念でなりませんでした。

なんで、日々過ごす大人誰かが気づかなかったのだろう、と。

私が校内巡視をしていたら見つけられたのだろうか?

いや、それは難しいと思うのです。

日々かかわる先生たちがアンテナを高くし、

子ども達の小さな異変にいち早く気づく力をつけてくださることが、

子ども達にとっての最善の利益につながると思っています。

文部科学省は「SOSの出し方教育」を推進しています。

それも大事だと思います。

がしかし、その前に、いろいろな意味で発達途中である子どもですから、

子どもがSOSを出すのを待つだけでなく、

小さな違和感に気づき、声をかけてほしい、とSSWの立場からは思うのです。

SCとの連携

Aさんは別室登校しています。

冬服でも体の線が細いと感じるくらいで、食が細い子なのかな?と気にかけていました。

でも、週に1回しか会わない私があまりずけずけと質問することもできず、そのことには触れないでいたのでした。

そして、ある日チャンスがやってきました。

別室にAさんと二人だけになり、雑談をすることができたのです。

その中で、太るのが気になって食べないようにしている、ということがわかりました。

給食も残していたし、家でもほぼ食べない、とのこと。

私は、「摂食障害」について情報提供し、

食べないでいると食べ物を受け付けない体になり、ひどい場合は入院になってしまうことを伝えました。

私は情報提供にとどめ、だから食べよう、というような助言はしませんでした。

Aさんは「摂食障害」を知らなかったようで驚いた様子でした。

この情報をスクールカウンセラー(以下SC)と共有しました。

SCもAさんとかかわっていたからです。

そして、SCがAさんと話したときに、食べないで痩せようとすると骨と皮できれいじゃないね、筋肉つけたほうがきれいで、そのためには栄養をとらないとね、

という話になったらしく、それからは給食を食べるようになったようです。

その次にAさんに会った時、Aさんの声に張りがあり、顔色も血色良くなっていました。

今回、早めに気づき、情報提供できたこと、それをAさんが素直に聞いてくれたこと、

SCと情報共有することで連携して支援できたことで、摂食障害になりそうなところを未然に防ぐことができた、と思っています。