スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

2021-01-01から1年間の記事一覧

WISCの結果が想定外

登校渋りのきっかけと原因 Aさんは登校渋りがあります。 それが思いのほか長く続いてしまいました。 きっかけは、担任の先生からの「もうちょっと頑張って。」という言葉がけでした。 え、そんなことがきっかけになるの?と驚かれる方もいるかもしれません。…

普通級にADHDの子どもがいる価値

子どもたちにとって先生は怖い 「違うよ~!先生が怖いんだよ~!」 と叫んだAさんはADHDですが普通級に在籍しています。 こう叫んだのにはもちろん理由があります。 クラスの一番後ろの席の子がお互いに足を蹴り合って遊んでいました。 それを見つけた担任…

『F-SOAIP』と呼ばれる生活支援記録法を学ぶ

スクールソーシャルワーク実践理論研究会 日本社会事業大学の関係者が中心となって企画してくださっている研究会です。 実践のみで業務に当たっていると、独りよがりになりがちだと思うのです。 理論と結び付けることで、より良い支援に繋がると思っています…

黒ずんだ私の名刺が支え

黒ずんだ私の名刺が支え 「これ、支えになった。」 と言ってAさんが筆箱から取り出したのは、 私の職名と名前が書かれた黒ずんだ名刺でした。 私はAさんに、付箋に論語とその意味を書いて渡したことがあります。 てっきりそれかと思い、 あれ?付箋に書いた…

幸せとはつながりがあること

修了した専門学校の交流会 私の修了した専門学校は、年に1回現役生とOB・OGたちの交流会があります。 私は自分が修了した専門学校に感謝しており、 現役生のお役に立ちたい、という思いで毎年参加しています。 というのも、交流会では現役生がOBたちに合格…

数年前からの苦しみに早く気づいてあげたかった

Aさんにチームで対応 教頭先生からの依頼でAさんと面談することになりました。 Aさんは自分のお母さんのことで困っているとのことでした。 Aさんは、学年主任のB先生にその困りごとに関し日々話すことができていました。 B先生は数か月前からAさんの話を聞い…

学校は子どもが主役

登校渋りの原因は一つではない 登校を渋るお子さんがいます。 その原因は一つではないと思います。 「一つではない」 という見方ができることが社会福祉士の視点だと思っています。 登校を渋るお子さんについて、 「家庭に問題があると思うんだよね。」 とお…

『子どもの権利条約』は教員に嫌われているかも

『子どもの権利条約』とは 子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約で、 日本は1994年に批准しています。 批准した国は定期的にそれまでの取り組みについて国連に報告しなくてなりません。 子どもの権利は大きく分けて四つあり、 「生…

理不尽な返答でダメージを受ける

ダメージを受けやすい素地 私がスクールソーシャルワーカーになった一番の理由、 それは、自分が当事者であったこと、 だから同じように辛さのある方々の力になりたい、 そんな思いからです。 私は幼児期に虐待を受けていました。 おそらくADHD傾向が強かっ…

ぐうたら生活を肯定する

7割程度で仕事する 「せっかくの休みだったのに一日寝込んでしまったんです。」 過日の面談で保護者さんが伝えてくれた言葉が過去の私とつながりました。 私は若いころから時々起き上がれなくなる、ということが起きていました。 振り返ると、頑張り過ぎだ…

私にとって8月は休養が必要

今年度は三足の草鞋からスタート 今年度、私は仕事を増やしました。 スクールソーシャルワーカー(以下SSW)以外に、 少年院の学習指導員、小学校の教育相談員をさせていただいています。 SSWとしての勤務は、基本的に週に三日ですが、 依頼が入ると5日勤務…

自由な感情表現としての保護者の涙

車を降りないAさん その日、Aさんは車でお母さんに学校に連れてきてもらったものの、 車からは降りようとはしなかったようです。 Aさんのお宅の車の横にお母さんと数名の先生がいらっしゃいました。 それに気づいてすぐ、私はAさんの車へ向かいました。 する…

教員の笑顔は子どもの笑顔につながる

元気のないAさん 登校を渋り始めたAさんについて、教頭先生から相談されました。 担任のB先生は同じ学年部のC先生にも相談できていたようでしたが、 スクールソーシャルワーカー(以下SSW)に相談されたのは ほぼ登校できなくなってからでした。 私は一度だ…

「ちょっと」とは?

Aさんの「ちょっと」とB先生の「ちょっと」 職員室に来たAさんは、B先生に「ちょっと待ってて。」と言われ待っていました。 そしてAさんはその後かなり不機嫌な様子となったので、 C先生が不機嫌の理由を聞いてくださったのでした。 するとAさんは 「ちょっ…

無意識の行動を意識化させる

下校時の様子を観察 子どもたちの下校時間まで勤務した日は必ず下校の様子を観察します。 たまに、帰るのを渋ってだらだらとその場にいる子もいます。 稀ではありますが、「帰りたくない。」と深刻な雰囲気を醸し出す子もいます。 そういった子がいないかな…

『学校の役に立つ』から始める

勤務時間より長い移動時間 私はケース会議のためだけに勤務することがあります。 私が勤務する学校はどこも自宅から1時間以上かかり、ケース会議は約1時間、 準備や記録などの時間を入れても勤務時間は1時間半から2時間程度。 つまり、勤務時間より移動…

『子ども理解と支援に向けた発達障害の特性と対応』の研修

校内研修に参加させてもらう 定期的に訪問させていただいている学校で勤務の日に 先生方の校内研修が重なってしまいました。 そうなると、子どもたちは早めに下校してしまうし、 先生たちとも話ができない、勤務をやめた方が良いかと相談したのですが、 研修…

「支え合いを当たり前に」を願う

認知度低いスクールソーシャルワーカー スクールソーシャルワーカー(以下SSW)活用事業が始まったのは 2008年度からで今年度13年目になります。 私が担当する自治体で始まったのはそれよりもずいぶん後ですので、 SSWが何をしてくれる人なのか…

アポなし家庭訪問

アポなし家庭訪問を頼まれる 私がご相談を受けるケースは登校が安定しないケースが多いです。 そして、稀ではありますが、急にアポなしで家庭訪問を頼まれることがあります。 その日も私が来校するや否や、急にAさん宅への家庭訪問を頼まれました。 学校とし…

卒業校でゲスト講師

スクールソーシャルワーカーの認知度を上げたい スクールソーシャルワーカーの認知度は低いです。 昨年、新1年生説明会でスクールソーシャルワーカー(以下SSW)を 知っているか保護者に挙手をお願いしたところ、 挙手は私が見た限りでは1名でした。 また…

SSWは意思を持った伝書鳩

外部と繋ぐ スクールソーシャルワーカー(以下SSW)は「繋ぐ人」と言われることがあります。 例えば、生活困窮家庭を子ども家庭課に繋いだりすることから そういった言われ方をするのかもしれません。 なので、先生方はSSWは困り感のある家庭を外部機関に繋…

不登校だったことが嘘のように

昼夜逆転 Aさんは昨年度途中から登校できなくなりました。 それは、昼夜逆転してしまったからでした。 夜眠れず明け方に寝つき、夕方に目覚める生活が何か月も続きました。 睡眠障害と診断され、両親は服薬を迷いつつ時は過ぎていっていました。 そして、Aさ…

家に帰りたい子どもに給食を見せる

帰りたいAさん Aさんはときどき家に帰りたくなり教室を出て行ってしまいます。 今までは廊下をうろうろするぐらいでしたが、 その日は外履きに履き替えて玄関まで来てしまいました。 そして、急に叫び始めたのでした。 始めは泣いているように見えたのですが…

「ジェネラリスト・ソーシャルワーク」を学び実践に生かす

「ジェネラリスト・ソーシャルワーク」を学ぶ 先日課題を提出した県の研修が無事開催され参加することができました。 私は毎回研修を楽しみにしています。 普段一人職で働いていますので、 スクールソーシャルワーカー(以下SSW)仲間と 会えるだけで嬉しい…

研修課題に取り組んでエネルギーを得る

課題を後回し 私の所属する自治体は、県の研修が年に4回あります。 県任用のスクールソーシャルワーカー(以下SSW)は必須、 市町の任用の方は任意で参加できます。 近々行われる研修に課題が出ていました。 約3週間前にはわかっていたことなのに、下書き…

SSWの専門性は「繋ぐ・繋がる」

専門性が分かりづらい スクールソーシャルワーカー(以下SSW)は 何をしてくれる人なのか分かりづらい職種のようです。 例えば、教員は教える人、SCは心を扱う人と言えるように思います。 SSWは「繋ぐ人」と言われます。 SSWの専門性 先生方はSSWはクライエ…

目に見えない支援・目に見える支援

目に見える支援 Aさんは昨年度からほとんど教室に入れなくなりました。 昨年度は、「私はB先生のせいで教室に入れません!」 と廊下から教室に向かって叫んだ、ということもあり、 そこを配慮していただけたのか、 昨年度の担任の先生はAさんの担任ではなく…

こどもの日に『子どもの権利』を考える

オンラインで「子どもの権利」を考える集会に参加 緊急こどもの日特別企画として、 SSW実践理論研究会オープンゼミにオンラインで参加しました。 急遽開催を決めた内田宏明氏は、 長野で起きた事件について怒りを露わにされていました。 どんな事件が起きて…

遊びでエンパワメント

不機嫌なAさん Aさんはその日、朝から不機嫌になる出来事があったようでした。 まずは何があったかを聴きました。 私はそんなことがあったんだね~と聴くのみです。 そうすると、次にクーピーを取り出し、 これがお母さん、これが妹、と、クーピーを家族に見…

『スクールソーシャルワーク実践スタンダード』の活用

【子どもの最善の利益】を守るために スクールソーシャルソーシャルワーカー(以下SSW)の実践方法は各自治体で違いがあります。 一方、SSWとして大切にすべき価値は同じで一番は【子どもの最善の利益】です。 では、【子どもの最善の利益】を一番にSSWとし…