校内研修の講師もスクールソーシャルワーカー(以下SSW)の仕事の一つです。
今回は生徒指導研修をスクールカウンセラー(以下SC)と協働で行いました。
事例を読み、4、5名のグループで、
①学校内での問題、気になる事柄
②子どもの長所・強み
③考えられる問題の背景・要因
④支援方法
を話し合いました。
話し合いの間、SSWとSC、管理職は、机間巡視をしていました。
教員はできないことをできるようにさせることに焦点がいきがちです。
強みや長所、つまり、できているところを見つけるのに苦慮されていました。
ですので、SSWから、「強みも出し合ってもらえますか?」
とお声をかけさせていただいていました。
その一方で、思わず涙ぐんだ「強み」を語ってくださる先生がいらっしゃいました。
「夏休み、昼間にではなく夜中に知らない大人とオンラインゲームができるって、
自分の心地よい居場所を見つける力があるって思うんですよね、
もちろん、オンラインゲームって(教員から見たら)適切ではないけど、
でも、(自分の居場所を)見つけられる力はあるって思うんです。」
先生たちなら「けしからん」としか見ないような部分を強みとしてみてくださる、
福祉職としては心からありがたく思い、
この班に発表してもらうことでSCと合意していました。
ところが、マスクのせいか、発表する班を聞き間違えられてしまい、
その強みをシェアすることができませんでした。
なので、最後のまとめでこのことを価値づけよう!
と慌ててメモしてそのつもりでいたのに、おわりの時間が迫っていることが気になり、
結局せっかくの素晴らしい視点をシェアできずに研修を終えてしまいました。
研修後、その先生に強みの視点をシェアしてほしかったこと、
その視点は福祉的に素晴らしいことをお伝えしましたが、
「あぁ~あの変な意見ですみません。」と恐縮され、自信なさげな表情でした。
そして、今思うのは、その時ではなかったのかもしれない、ということ。
あの強みをシェアして、どれだけの先生が理解できたのか、納得できたのか、
と考えたとき、時期尚早だったのかもしれない、とも思えてきました。
しかし、こういった福祉的な視点は、今後必要な視点だと思っています。
だからSSWが公費で雇われているのだと思っています。
福祉的に見たとき、誰とも繋がりがない「孤独」が一番心配な状況です。
誰かに繋がり「一人にしない」ことはとても大切な視点です。
このようなことが理解されるために、
まずはSSWとしての実績を粛々と積み重ねることを頑張ろうと、
気持ちを新たにしました。