スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

摂食障害を心配する

入院してしまったお子さん

私の中学校での勤務は、

依頼があった時と月に1回程度生徒指導部会に参加することです。

生徒指導部会で名前が挙がったお子さんで、スクールソーシャルワーカー(以下SSW)がかかわった方がよさそうなお子さんについては、その場で提案するようにしています。

A校で生徒指導部会に出たとき、摂食障害で即入院となったお子さんについて情報提供がありました。

私はこれが残念でなりませんでした。

なんで、日々過ごす大人誰かが気づかなかったのだろう、と。

私が校内巡視をしていたら見つけられたのだろうか?

いや、それは難しいと思うのです。

日々かかわる先生たちがアンテナを高くし、

子ども達の小さな異変にいち早く気づく力をつけてくださることが、

子ども達にとっての最善の利益につながると思っています。

文部科学省は「SOSの出し方教育」を推進しています。

それも大事だと思います。

がしかし、その前に、いろいろな意味で発達途中である子どもですから、

子どもがSOSを出すのを待つだけでなく、

小さな違和感に気づき、声をかけてほしい、とSSWの立場からは思うのです。

SCとの連携

Aさんは別室登校しています。

冬服でも体の線が細いと感じるくらいで、食が細い子なのかな?と気にかけていました。

でも、週に1回しか会わない私があまりずけずけと質問することもできず、そのことには触れないでいたのでした。

そして、ある日チャンスがやってきました。

別室にAさんと二人だけになり、雑談をすることができたのです。

その中で、太るのが気になって食べないようにしている、ということがわかりました。

給食も残していたし、家でもほぼ食べない、とのこと。

私は、「摂食障害」について情報提供し、

食べないでいると食べ物を受け付けない体になり、ひどい場合は入院になってしまうことを伝えました。

私は情報提供にとどめ、だから食べよう、というような助言はしませんでした。

Aさんは「摂食障害」を知らなかったようで驚いた様子でした。

この情報をスクールカウンセラー(以下SC)と共有しました。

SCもAさんとかかわっていたからです。

そして、SCがAさんと話したときに、食べないで痩せようとすると骨と皮できれいじゃないね、筋肉つけたほうがきれいで、そのためには栄養をとらないとね、

という話になったらしく、それからは給食を食べるようになったようです。

その次にAさんに会った時、Aさんの声に張りがあり、顔色も血色良くなっていました。

今回、早めに気づき、情報提供できたこと、それをAさんが素直に聞いてくれたこと、

SCと情報共有することで連携して支援できたことで、摂食障害になりそうなところを未然に防ぐことができた、と思っています。