スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

「そのプリント難しいと思う」を伝える

 

 

自由に見て回る

活動の一つに「校内巡視」があります。

私の勤務する学校は学校内を自由に見て回らせてくれます。

他の自治体で活動するスクールソーシャルワーカー(以下SSW)は、勤務日のスケジュールをびっちりと決められているとおっしゃっていました。

1時間目はAさん観察、2時間目はBさん観察、3時間目は面談・・・といった具合だそうです。

私たちSSWは、自治体によって使われ方が違います。また、同じ自治体でも、学校によって違いますし、さらに先生によっての違いも感じるところです。

毎週勤務させていただいているC校では、学年主任のD先生が「うちの学年見に来てください、気づいたことを教えてください」とおっしゃってくださいますので、行くと必ず見に行くようにしています。

一方、それを許してくださらない先生がいらっしゃるのも実際です。

私は、学校の担任が閉鎖的に教育を行うことの弊害を危惧しています。

私は、「見てほしい、気づいたことを教えてほしい」と教職員がお互いに言い合えるような学校、つまり、チーム学校になることを願いつつ、日々活動しています。

答え合わせに不参加が1/4

その日のC校の勤務でD先生の学年を観察に行きました。

その学年のE先生は今年1年目の講師です。D先生はいつもE先生を気にかけ、私にも見てほしいと伝えてくださってました。

私が見に行ったその時間、E先生のクラスはプリントの答え合わせをしていました。

そこで驚いたのが、クラスの約四分の一が答え合わせに参加しておらず、E先生はそれに対しての注意をしなかったこと。

注意をしないことについてはE先生の意図を直接尋ねるとして、答え合わせをしない子のやらない理由を探りたいと思いました。

参加しない理由を探り、伝える

答え合わせをしていない一人に声をかけ一緒に解くと、その子はちゃんと正解することができました。そして、書くことを促すと、のんびりと取り掛かり、雑な字で答えを書きました。そこで、わかっているけど書くのが面倒なのかも、と推察しました。

また、一般的な推察として、子どもの中には「間違う」ことに強い抵抗感を持つ子や、自信がないから書きたくない子もいます。

そういったお子さんが約四分の一もいるのは、そのプリントの難易度がそのクラスの子どもたちの実態に合っていないのだと思いました。

これは、教育的に問題なのは自明として、私たち福祉職の立場からも改善を求めたい状況です。

なぜなら、クラスの中に学習意欲がないお子さんが増えていくと、学級内の雰囲気は悪くなり、いろいろな問題が起きやすくなることが懸念されるからです。

私たちSSWは、問題の未然防止にも尽力したい思いがあります。

また、子どもたちの置かれた環境を子どもたちが潜在的に願う形にしてくことも大事な活動だと思っています。

私は、子どもたちが自分の内側に言語として持ってはいないとしても、「成長したい、より良くなりたい」という思いがあると信じています。

差し出がましい意見かもしれないけれど、思い切って学年主任のD先生にプリントの難易度についてお伝えました。

すると、D先生は私に感謝の言葉をくださいました。

実は内心ドキドキしていたのだけれど、伝えさせていただいてよかった、とほっとしたのでした。