スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

私を「大好き!」と言ってくれる子

Aさんとの関係作り

Aさんは登校はするし、教室にも入るけれど、クラスのみんなと同じように学習することに難しさがあります。

先生に対する好き嫌いもはっきりしているようでした。

私は、週に1回しかAさんに会わないし、一緒に何かしたことは数えるほどしかないけれど、「私はあなたの味方だよ」が伝わるといいな、と思いつつかかわり、見守ってきました。

Aさんは不穏になり教室から出てしまうこともありました。

そんなとき、担任の先生に頼まれて、つかず離れず見守ったり、時には話を聴いたり、何か一緒にしたりしていました。

Aさんが至近距離で教員に怒鳴られたときは、私はすぐAさんのそばに行き、Aさんの背中をさすり、Aさんの味方だよ、を行動で伝えたりもしました。

Aさんとの別れ

そんなAさんとのお別れが思いがけずやってきてしまいました。

Aさんにお別れが言いたいけれど、いつ言おうか、いや、何も言わない方がいいのかな?と迷っていました。

私の退勤時間が近づいたころ、結局「今日が最後」を伝えるためにAさんを探しました。

私がAさんを見つけ、「Aさんを探してた~!会えてよかった!」と言うと、Aさんは初めて私と手をつないだのでした。

私がお別れを言いに来たことを感じ取ったのかもしれません。

「今日が最後」を伝えると、Aさんは「え~!!大好きな先生だったのに~!どこ行っちゃうの~?」と言ってくれたのでした。

また、そのときAさんは、目的の教室までずっと私と手をつないだまま歩いていたのでした。

「私の代わりがくるよ」とは伝えたのですが、「あ、あのおばさん?」と言った返答でした。

なので、「別に仲良くしてとは言わないよ、Aさんの好きにしていい」と伝えたのでした。

課題のあるお子さんは誰にでも心開くわけではないので、そこは支援者の力量や相性が関係すると思っています。

別れは担当校変更のせい

それにしても、たった4年で担当校が替わるのはやっぱり納得がいかないです。

私たちスクールソーシャルワーカーは、つながりが難しいお子さんや保護者さんとつながっています。
Aさんもその一人です。敵じゃないと感じてもらうのに時間を要しました。。

やっとできた関係を事務的にばっさり切る市教委のやり方には賛成できないし納得できない気持ちに変わりはありません。

そのやり方は従来のやり方であり、「福祉的」ではないと考えます。

学校教育に「福祉の視点」を入れたいと本気で思ってくださるなら、まずは市教委が「福祉の視点」を持った対応を率先して行い、学校をけん引していってくださる立場をとってほしいと思うのです。

今までの学校のあたりまえを疑い、それがその子の最善なのか?を個別の事情を配慮して吟味し、従来の対応にこだわることなく対応することを検討してほしいと思います。

ちなみに、今回「福祉的な対応」について、市教委に提言しましたが「暖簾に腕押し」でした。非常に残念です。