家は本来安心安全で帰りたい場所
「家に帰りたくない。」と、神妙な面持ちで子どもが大人に話すとき、
私たち子どもに関する福祉職は、この言葉を重く受け止めます。
本来、子どもにとっての家は帰りたい場所のはずなのです。
家には心の安全基地である保護者がいます。
その安全であるはずの家に帰りたくないと言い出すのは、
家が安全ではなくなっている、家で何事か起きている可能性を考えます。
ですので、家に帰りたくない理由を丁寧に聞き取り、
場合によっては児童相談所(以下、児相)に通告することを考えます。
「家に帰りたくない。」と言ったAさん
私が関わっているAさんは、私と出会う数か月前に「家に帰りたくない」
と、スクールカウンセラー(以下、SC)に伝えていました。
SCは管理職にこのことを伝えましたが、管理職は見守ろうということにしたそうです。
私はこのことを知った時、怒り、悲しみ、残念さ、無念さなどのマイナス感情が渦を巻きましたが、過去は変えられない、と思い、すぐ収めました。
しかし、何度目かの打ち合わせ時、収めたつもりでいた感情が出てきてしまいました。
「家に帰りたくない」といった時のAさんのどん底の思いが自分事のように辛くなり、今後は重く受け止めてほしいことを涙しながら説明してしまいました。
子どもは親を選べない
学校は何百人もの子どもたちの教育を担っている中で、
個別の対応はいろいろな意味で難しいことは承知しています。
しかし、子どもは親を選べません。
帰りたくないと思うような家に生まれたくて生まれてきたわけではないのです。
そして、そういったお子さんを救えるのは学校だと思うのです。
こういった事情のあるお子さんの背景を慮り、
見守る以外の介入的な選択肢も持ってもらえるとありがたいと思っています。
SCから見た私
この話をSCにしたところ、
「ヒロさんは熱いね、学校と温度差があって大変でしょ?」
と言われてしまいました。
私はもう少し冷めるべきなのだろうか・・・
いや、熱いままでいようと思います。
大変を承知で、今後も『子どもの最善の利益』を中心に行動しようと思います。