スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

学校は子どもが主役

登校渋りの原因は一つではない

登校を渋るお子さんがいます。

その原因は一つではないと思います。

「一つではない」

という見方ができることが社会福祉士の視点だと思っています。

登校を渋るお子さんについて、

「家庭に問題があると思うんだよね。」

とおっしゃる先生の声を耳にしました。

その声は、それしかないように私には聞こえました。

もちろん、家庭にも何かあるのだと思います。

親子関係、兄弟関係、夫婦関係、

おうちの中に物理的に安らげる場所があるかどうか、

それらが少しずつそのお子さんに影響しているのだと思います。

また、お子さんの性格や特性、

生まれつきなのかもしれないし、

後天的に得たものなのかもしれないし、

それが学校での生活を難しくしている場合もあるでしょう。

そして、そういったものを持ちながら学校生活をしていく中で、

教員とのやり取りをきっかけに登校を渋ることがあるのです。

個別の対応を願う

一つの教室に多いと30数人いるお子さんたちに対し、

個別に配慮することは難しいことだと想像できます。

しかし、不適応を起こしたお子さんには

個別の対応をしていただきたいと思うのです。

例えば、先生に対し威圧感を持ってしまったお子さんに

その先生が今まで通りの対応をそのお子さんにしていたら、

お子さんの登校渋りは解消しないと思うのです。

もちろん、そのお子さんが適応力をつけていくことも必要でしょう。

そして、それと同時に先生方も対応を変えていただきたいと思うのです。

こういった話を管理職の先生に伝えると理解を示してくださりありがたく思います。

しかし、実際にお子さんに接している担任の先生には伝わらないこともあります。

私ができることの限界を感じそのお子さんに申し訳なく思います。

学校は子どもが主役

学校は、子どもが主役だと思うのです。

主役が舞台にいないって異常な事態だと思うのです。

稀に、お子さんが「学校には行かない」と決める場合があります。

それは異常事態にはならないと思うのです。

主役が「主役を降ります」と宣言するならそれを認めることも必要だと思うのです。

でも、「本当は行きたい」と言っているお子さんなら、

どうしたら行けるようになるのか一緒に考えるのが先生であり、

私たちSSW(スクールソーシャルワーカー)なのだと思うのです。

それなのに、「不登校なら不登校で家でおとなしくしててくれれば良い」

とおっしゃった先生がいらして、私は下唇を噛む思いになりました。

不登校を一括りにして考えるのではなく、

不登校のお子さん一人一人の思いをまずは聞き取ってほしいし、

それに向けてできることを考えてほしい、

先生や私たちSSWは、

お子さんが主体的に生きる上の名脇役であることが大事だ思っています。