スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

不適切養育を自覚しない保護者

 

 

虐待を容認する保護者

身体的虐待や体罰を容認する保護者さんはいまだに一定数います。

家で叩いている、学校でも叩いてくれていい、そうしないと言うこと聞かないから、

という声を聞きます。

過去のブログでもお伝えしましたが、継続的な虐待はもちろん、虐待までいかない不適切な養育を継続的に受けていることでも脳は変形することが今はわかっています。

この事実をまだ知っている大人が少ないのかもしれません。

早くこの事実が周知されるとよいと思っています。

そして、不適切養育とならないよう気を付けてくれる大人が増えてくれることを祈っています。

不適切養育を自覚しない保護者

自分の行いや状況を客観視できる保護者さんばかりではありません。

不適切な養育であることに気づかない保護者さんもいます。

Aさんは、学校の先生たちも私も不適切な養育を受けていると思っています。

しかし、Aさんはされている自覚がありませんし、Aさんの保護者さんも不適切な養育をしている自覚がないのでした。

Aさんの保護者さんは両親ともに精神疾患で家庭内がうまく回っていません。

それならショートステイなどを使って保護者さんの負担を減らし、Aさんの養育環境を少しでも改善したいと提案するのですが、保護者さんは同意してくれません。

その理由として、最近施設での虐待がニュースになっていたので心配だ、というのです。

私や学校からすれば、保護者さんの日々のかかわりが十分Aさんへの心理的虐待になっているのでは?と思うのですが、自覚が全くないことがこの理由を口にしたことからはっきりわかりました。

まともな大人とのかかわりを増やす

Bさんも不適切な養育を受けているお子さんです。

一時は不登校になりました。

でも、学校の先生たちやスクールソーシャルワーカー(私)、通級の先生や巡回相談の先生、放課後デイのスタッフ、塾の先生など、親以外の大人たちと多くかかわることで、Bさんはエンパワメントされ、学校生活に苦しさはあるけれど、それを乗り越えようとする意欲と行動力が今はあります。

Aさんには、まだそういった大人たちが少ないです。

このままだとBさんのように不登校になりかねないですし、保護者さんのように精神疾患を患ってしまうかもと心配しています。

私がBさんとかかわる機会を増やすこと、また、まともな大人たちとのつながりを増やすことで、Bさんの笑顔を増やしていきたいと思っています。