スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

ストレス解消がみつからない子

教室に入れない子のための部屋

私が勤務する学校には教室に入れない子のための部屋があります。

その部屋にいる子どもたちと仲良くなってほしい、と、校長先生に言われているので、

面談等入っていないときは顔を出すようにしています。

人は接触回数が多いと親近感が増すようなので、

できるだけ顔を見せて、まずは見たことある人になるようにしていました。

それが功を成したのか、ある日部屋へ行き椅子に腰をおろすやいなや、

Aさんが「話したい。」と言って私のところへやってきました。

先生も聞いてもらった方がいい、とおっしゃってくださり、

授業中でしたが話を聴くことになりました。

Aさんのイライラ

Aさんとそれほど仲良くなったつもりではなかったので、

突然のことでびっくりし、いったい何を話したいんだろう?

とちょっと身構えて話を聴き始めると、まずは「イライラする話」を次々と、

そして、そのイライラを解消する方法がないことを話してくれました。

結局のところ、弟に対するイライラが一番、

母親に対してと父親に対してはイライラと言うより不満があるようでした。

弟については、ゲームで対戦し、負けてあげるとあおってくる、

勝つと泣いて叩いてくる、叩き返すとけんかになって自分だけが怒られる、

ゲームがストレス解消の一つなのにこれじゃあストレス解消にならない!

と、早口で怒り口調で話してくれたのでした。

また、もう一つのストレス解消がゲームのプログラミングだったようなんですが、

そのサイトに入れなくなってしまったそうなんです。

いつからか制限がかかるようになったとのことでした。

SSWからの提案

Aさんだけ怒られるのは、兄弟差別と言えます。

広い意味では心理的虐待であり、確実に不適切養育です。

なので、「お母さんに、Aさんだけ怒るのはやめてあげてください、

って言ってあげられるよ。」と伝えたのですが、

「それはしなくていい」との返事でした。

プログラミングのサイトの件は、

そのサイト以外にゲームのぷろぐらみんぐができるさいとないか調べるね、

を伝えたら、それはOKでした。

話し終えた後

結局授業1時間分Aさんの話を聴いてしまいました。

話し始めはかなりイライラした口調でしたが、

1時間たったころには口調もずいぶん穏やかになっていました。

やはり、話すことは癒しになるんだな、を実感しました。

しかし、本人はそれを認めていませんでした。

自分の心の状態を客観視するのは小学生には難しいのかもしれません。

自分の思いが何なのか気づくことが、心理的に穏やかに過ごすためには必要です。

それを一緒に探すこともAさんが穏やかに過ごすために必要だと思っています。