スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

里親会主催のセミナー講演会

セミナーで得られたこと

国立武蔵野学院、藤澤陽子氏による【性的な行動の理解と対応】というテーマのセミナー講演会を視聴しました。

セミナーは50分の講義と質疑応答も50分ほどでzoomで行われました。

講義では、新たな知識を増やすことや広報できたこと、自分なりの考えを持つことができました。

新たな知識の驚きとして二つあります。

一つ目は、欧米では90年代以降子どもの性的虐待の通告割合が増加しているのに対し、日本は1%程度を推移しているとのことです。

二つ目は、世界中に流通する児童ポルノの割合は日本が一番多いことです。

そして、その背景には、歴史的背景があり、日本が性的なことを隠す文化があるとのこと。

歴史的背景としては、そもそも日本は農耕民族で子どもは働き手として必要、なので多くの子どもが生まれるよう夜這いのシステムがあり、男女とも15歳ごろ大人たちに性的な手ほどきを受ける、という慣習もあったとのことでした。

開国するにあたり、このような文化があからさまになることは他国に低俗な国家との印象を与えかねないとし、隠ぺいされたようです。

この隠ぺいが始まりで、今も性的なことを隠す文化が続いているとのことでした。

心の傷へのケアの視点

その最たるものが、児童ポルノの大量流出なのかもしれないと思いました。

また、自分の認識ややってきたことが間違っていなかった、と安心できる内容もありました。

まず、認識として、性的な被害は心の傷になること、それは他人にはもちろん自分も見えづらいこと、自分が自分の心の傷を知ることが必要とのことでした。

ただ、私は「自分が自分の心の傷を知る」は、ベストなタイミングは人それぞれと思います。

私は、自分が知ることよりも先に第三者の大人がその心の傷に気づき、ケアの視点を持って接することが大切だと思います。

そして、ケアの視点とは、そのお子さんがそのお子さんが本来したいことを選択し、子どもらしく日常を送ることができることを保証するために大人たちが配慮することだと思っています。

娘の性被害

実は、自分の娘が小学校低学年のころ下校中に性被害にあっています。

見知らぬ男にマスターベーションをしているところを見させられたというのです。

知識がないからでしょう、娘はそれをとんでもない被害のあっているという認識はないように見えました。

だから私は、この記憶が薄れればいい、大人になったときに理解し、ひどい目にあったもんだ、と自分で自分の嫌な体験を乗り越えればいい、そんな風に思い、その後、注意深く観察することだけを意識し、もし、PTSDのような症状が現れたときには対応すればいいと考え過ごしました。

このときすぐに警察や学校に連絡、見守りを強化してもらい、だから大丈夫と娘に伝え、前と変わらない日常を保証することを意識しました。

その娘は成人し結婚もしました。「子どもは〇年後に予定している」の言葉から、パートナーとの性行為も問題なくできていると推察しています。

思わぬところで広報

セミナーの質疑応答場面で気になったことがありました。

里親さんの悩みを一緒に考えてくれる人は誰なのか、専門的な人が必要なのか、が話題になったときに「スクールソーシャルワーカー(以下SSW)」という単語が出てこなかったことです。

お子さんが公立の小中学生なら、必ず担当のSSWがいて相談に乗れることを藤澤先生おっしゃってくれなの?!と、うずうずし、迷いながらもチャットに書き込むと、藤澤先生が目にとめ紹介してくださいました。

チャットに書き込まなければSSWが相談に乗れることは里親さんたちに知られないままだったと思います。

SSWは関連分野でも周知されていないんだと思い知らされました。

私たちSSWが活用されるためには知ってもらう必要があると思います。

今回、思いもよらないところでの広報活動になりましたが、今後も臆せず広報していきたいと思います。