過去の暴力を伝えてくれたAさん
中学生のAさんは、小学校6年生までは親からの暴力がありました。
私はそのことをAさんとの何度目かの定期面談で知ることとなります。
そして、その暴力のことを私以外の大人に伝えたことがあるのかきいてみると、私に初めて言ったとのこと。
さらに、このことを担任の先生に伝えていいかときいたところ、私だけ知っておいてくれればいい、とのこと。
Aさんは、親からの暴力について私以外には知られたくないようでした。
子どもが先生と良い関係であっても、先生に全てを話せるわけではないようです。
子どもは子どもなりに考え、伝える人を選んでいるのです。
私たちスクールソーシャルワーカー(以下SSW)は、選ばれる人になるために努力し、校内を回っています。
たわいない会話からわかった親からの暴力
小学校勤務のその日、Bさんとのたわいない会話の中で、Bさんが親からの暴力を受けていることを偶然知ってしまいました。
Bさんに傷や痣はなさそうですが、程度や頻度、どこをやられているのかなどを知りたいと思い、管理職と担任の許可を得ました。
Bさんから聞いたことを管理職に伝えましたが、傷痣がないということで通告にはならず、見守りとなってしまいました。
Bさんの場合、Aさんと違って意を決して伝えてくれたと言うより、ぽろっと出てしまった言葉なのだと思います。
幼いお子さんは、自分が育った家庭しか知りません。暴力が日常的にある家庭で育てばそれが普通と思ってしまいます。
一日も早く暴力の中にあるお子さんの環境を変えたい
小学生のCさんも暴力が日常の家庭で育っていましたが、Cさんは親にひどいことをされているという認識はないようでした。
暴力が日常の家庭で育つお子さんをそのままにしておいて良いのでしょうか?
良いわけないのです。
不適切な養育環境と言えますから、お子さんの脳は変形します。
できるだけ早くその環境を変える必要があります。
だから、私たちSSWは校内を回り、子どもたちとたわいない会話をし、不適切な養育環境のお子さんを見つけようとしています。
今回、せっかく見つけたBさんの今後の支援が決まっていません。
不適切な養育環境にいるお子さんの夏休みは心配です。
私にとって、今回の夏休みは今までで一番心配な夏休みとなりそうです。