スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

ストレングス視点で支援

特別な支援が必要な子の増加

コロナが5類となった最近、某国立大学の教授が、私がスクールソーシャルワーカー(以下SSW)として勤務する自治体の幼稚園・保育園を視察し、

「今時点で、特別な支援が必要と思われる子どもは、全体の三分の二」

と研修の中でおっしゃった、と、A先生から教えていただきました。

A先生は、クラスの三分の二が特別な支援が必要ってどう対応したらいいのかと、困惑した表情で話してくださいました。

コロナ禍のいろいろな制限がある養育環境、教育環境で、子ども達の育ちがうまくいっていない証のように思います。

おうむ返しのCさん

小1担任のB先生がクラスの子どもの大変さを私に伝えてくれました。

この学校の小1は、校内巡視の様子ではおとなしく席についているようでしたし、教室の後ろの席の子も先生の指示通りできている様に見えました。

サポート員さんがほぼ小1にいてくださっているので、SSWがかかわらなくても大丈夫かなと思っていました。

ですが、B先生の話から、静かに困っている子が例年より多いと感じるとのことでした。

その中でもCさんは、話すこと書くこと両方が難しいとのこと。話しかけるとおうむ返しになってしまうとのことでした。

Cさんができるようにかかわる

私はCさんを観察することにしました。

1度目の観察の時、Cさんは人懐っこい性格のようで、私に抵抗感なく話をしてくれました。

2度目の観察の時、Cさんは私が教室に入るや否や「ヒロせんせー!」と呼んでくれました。

行事についての絵日記を製作中のようでしたが、どうしていいか困っていたようでそう伝えてくれました。

SSW「何が楽しかった?」

Cさん「ぶらんこ」

SSW「ほかには?」

Cさん「だんごむし」

SSW「行事は学校の中だったと思うんだけど、6年生の教室で楽しかったことなかった?」

Cさん「ビーズが楽しかった!」

SSW「じゃ、それを書こうか!」

Cさん「うん!」

こんなやりとりをして、Cさんは絵日記にとりかかることができました。

ストレングス視点で支援

B先生は、大人から見ると怖い先生と言うわけではないのだけど、小1でかついろいろできないCさんにとっては怖い存在なのかもしれない、そのせいで、何を答えていいかわからずてんぱっておうむ返しになるのかな?と推察しました。

福祉職の立場としては、そのお子さんに合わせた対応をすることでお子さんのできることを増やしてほしいし、良さを引き出してほしいと思っています。

こういったストレングス視点で支援する方法は福祉の視点ともいわれています。

担当校のある先生が、

「子ども一人ひとり違うのが当たり前で、その個性に合わせた教育をするのは当たり前。」

といったようなことをお伝えくださったことがあります。

その言葉をとても心強く思いましたし、この考えが早くスタンダードになって欲しいと思っています。