教室を無断で出るAさん
Aさんは何も言わずに教室を出て行ってしまいます。
理由はいろいろです。
出て行ってしまって行方が分からなくなると心配です。
担任も支援員さんも困っていました。
その困り感を担任、支援員さん、それぞれと共有し、助言していましたが、
これはケース会議を開いてもらって、
担任以外の先生たちの力も借りていった方が良いと思い提案。
教頭先生、担任、サポート員、スクールソーシャルワーカー(以下SSW)の私で行うことにしました。
ケース会議を開く
ケース会議では、まず今時点で困っていることを担任や支援員さんに全部話してもらいます。
話すことで癒されますので、心理的負担を減らすことができます。
次にその困っていることを整理し、学校でできることを見つけていきます。
そのために、できていることに注目し、それを活かした支援方法を見つけていきます。
そして、担任ができること、支援員ができること、SSWができること、級外の先生ができることを役割分担しました。
ケース会議後の変化
今までは、誰が何をするかがあいまいでしたが、
はっきりしたことで支援がスムーズになったことは、
担任の心理的負担を大きく軽減したように思います。
教室へ観察に行くと、Aさんは着席できていましたし、
担任の先生の表情は見に行くごとにとても柔らかくなっていったのでした。
担任の先生は、ケース会議で決まったことを守り、
Aさんが注意したくなる行動をとっても厳選して注意すること、
認める声掛けを増やすことを継続してくれていました。
脳は笑顔を作ると楽しいと錯覚する、と言われています。
子どももそんな単純なところがあるように思います。
担任が口うるさくせず認める声掛けを増やせば穏やかになるのです。
良い循環を生み出す
教員の意識を変えることは難しいですが行動は変えられます。
今回は注意の回数を減らすこと、認める声掛けなど増やすことでした。
行動を変えると子どもは良い方へ変化し、
良く変化した子どもの様子を見れば先生は嬉しくなり笑顔になります。
その笑顔のおかげで子どもは居心地が良くなり問題行動は減り、
先生はますます認める声掛けが増え・・・と、良い循環が生まれます。
それを生み出すのがケース会議だと思っています。
今回うまくいったのは、、割と早い段階でケース会議を行ったこと、
また、ケース会議で話し合ったことをベースにして、
支援方法の微調整もしてくださっていたからではないかと思っています。
今後も、問題行動が固定化する前にケース会議を提案していきたいと思っています。