スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

一緒に病院へ行くのも支援

受診できていない

Aさんは3か月くらい前から不穏です。

以前はちゃんと診察を受けていたのですが、

一番最近の受診は嫌がり、お母さんだけが診察室に入っていたのでした。

Aさんが穏やかに過ごすためには、Aさんを診てもらわないと始まらないと思い、病院受診に同行することを管理職に提案しました。

管理職は賛成してくださり、さっそくお母さんに伝え、とんとん拍子で同行することが決まりました。

疲れが残ったまま同行

同行するその日、午前中は教育相談員として相談室に来室するお子さんの支援をしていました。

教育相談員の仕事は、スクールソーシャルワーカー(以下SSW)の直接支援にあたる業務と同様です。

お子さんの話を聴いたり、希望する活動を一緒に行ったり、学習支援もしたり、お子さんについて先生方と情報共有したりと忙しい時間を過ごし、疲れを残したまま病院へ向かったのでした。

受診出来たAさん

Aさんは車から降りないと聞いていましたが、私が車に近づくと、すっと降り、病院の玄関に向かって歩き始めました。

病院内では子ども用のいすにちょこんと座り、自分の興味のある話題でお母さんやお父さんとおしゃべりしながら待つことができました。

中待ちの狭い部屋に通されたときはちょっと不穏になりましたが、お父さんのお膝にいることで少し緩和できたようでした。

そして、無事受診し、お医者さんとも会話し、応援の言葉をもらい、それをちゃんと受け止めているように見えました。

疲れが吹き飛ぶ

診察を終え、

「受診出来て良かったです。穏やかに待つこともできて、私必要なかったですね。」

とご両親にお声掛けさせていただきました。

ご両親は、SSWがいたからできた、とおっしゃってくださりありがたく思いました。

実際は、私がいたから、ということも影響していると思います。

子どもは親には甘えが出ます。

しかし、私がいることで甘える心を無意識に自制するのだと思います。

「できた」経験は自信につながり、さらにできるように頑張る原動力になります。

エンパワメントできてほっとした同行支援となり、Aさん親子と別れた後にはすっかり疲れは吹き飛んでいました。

教育相談員の仕事も好きですが、やはりSSWとして活動することが一番好きで、自分自身が元気になれる、と実感しました。