スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

先生からSSWへ「話しかけてもいいですか?」

 

 

先生たちから話しかけてもらうために

職員室にあえているのは、私に話しかけてもらうためでもあります。

私が職員室にいると、緊急性はないけど困っている、といった話が聞けるのです。

これに気づいたのは、SSWになって少したってからでした。

気づく前は、職員室で座ってちゃいけないと思っていて、やたらと校内を歩き回っていました。

以前NHKで放映された「ひきこもり先生」の中でSSWが靴箱を観察していましたが、私も同じように見ていました。

A校勤務の日、一度もちゃんとした会話をしたことのない先生が、「話しかけていいですか?」と声をかけてきてくれ、その内容がクラスの子の心理的虐待でした。

そして驚いたのが、その虐待の事実を先生が知ったのは何か月も前だったとのこと、さらに、管理職にも話せていなかったことでした。

この経験から、職員室にいる時間をあえて持つようにしよう、と決めたのでした。

もちろんその先生には、今後虐待が疑われるようなことを知ってしまったら、すぐ管理職に伝えてほしいことをお願いしました。

併せて、管理職には、担任が虐待を疑われるようなことを知った場合、すぐ管理職に伝えるようにしてほしいこともお願いしました。

C先生からの「話しかけてもいいですか?」

B校の勤務は毎週ですが、基本的には午前中の3時間です。

なので、先生たちの話を聴く時間はほぼ持てていないのが現状でした。

その日は夕方に家庭訪問があったので、職員室で一緒に行く先生を待っていました。

すると、「話しかけてもいいですか?」と、C先生が話しかけてくれました。

特に困っているお子さんがクラスにいるという話ではなく、まずはSSWを労ってくださる言葉から始まりました。

そして、私がB校で研修させていただいた「聴く技術」がものすごくよかった、と、数か月前に行った研修のことを伝えてくださいました。

SSWの仕事をわかってくれようとしてくださっていることや労ってくれたお気持ち、さらに私の提案した研修がC先生の学びとなりスキルアップの一助になったと知り、舞い上がりたいくらいのうれしさにホクホクしながら会話を続けていました。

すると、「ここ(職員室)で大きな声では言えないですが、教師として行き詰っていて・・・。」と伝えてくださったのです。

しかも、「ヒロさん話しやすくてつい話しちゃったんですが」とも伝えて下さり、うれしすぎて若干涙ぐんだぐらいです。

私は、辛い心の内を聴かせていただけることを心の底からありがたく思います。

辛さを言える相手は選ばれた者だと思うからです。

辛さ弱さを人に見せるのは容易ではないことを経験で知っています。

なので、その辛さへの共感とありがたい気持ちの高ぶりで毎回だいたい涙ぐんでいます。

この共感力は、私の強みだと思っています。

慣れから共感力が弱まることないように在りたい、今後も先生から「話しかけていいですか?」と言ってもらえる存在でありたいと思っています。