スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

不登校だったことが嘘のように

昼夜逆転

Aさんは昨年度途中から登校できなくなりました。

それは、昼夜逆転してしまったからでした。

夜眠れず明け方に寝つき、夕方に目覚める生活が何か月も続きました。

睡眠障害と診断され、両親は服薬を迷いつつ時は過ぎていっていました。

そして、Aさんは私との面談の時だけ登校してくれていました。

お母さんとも定期面談をし、

お父さんとは何かのついでにお話させていただいていました。

Aさんが登校

新年度になりAさんが登校できるとは、大人たちは誰も思っていませんでした。

しかし、Aさんは新年度遅刻もせず登校し、それが今も続いています。

 Aさんが登校できなかったときの面談時、

Aさんはもちろん生気がないように見え、

「何から話していいのか・・・」と始まるのが常でした。

新年度もAさんが面談を希望しているとの連絡を受け、

進級したAさんと顔を合わせると、

別人のように血色がよく、声にも張りがあり、話し方や所作がなめらかでした。

子どもらしい日常を取り戻したことが見て取れました。

それまでは生存確認を含めて1か月に1回のペースで定期面談していましたが、

私としてはSSWとの定期面談は必要ないかもと思うほどでしたので、

今後の面談をどうするかきいてみました。

すると、今後もまだ継続したいということで続けています。

新年度のAさん

そして、一番最近の面談時、

開口一番「テスト勉強の計画を一緒に立ててもらえますか?」と言うのです。

昨年度のあの弱々しかったAさんが浮かび、

こんなに元気になれて本当に良かったとジンときた気持ちを隠し、

「いいよ~。」と返事をしました。

私は子どもの可塑性の高さに感動します。

SSWだからこそ味わえる感動だとも思っています。

Aさんのお母さん

一方、Aさんのお母さんに大きな変化は見られません。

月に1回の面談は、面談のおおよそ7割がお母さんの不安感や不満について、

そしてそれについて十分聴いたあと、

視点をずらしたり、できていることに目を向けたり、

知識をお伝えしたりして面談前よりは少しは元気なって帰宅してもらう、

これを繰り返しています。

お母さんに大きく変化してもらうことは難しいことです。

お母さんは支えつつ、子どもの変化を促せるよう今後も支援していきます。