スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

アドボケイトを大事にする~子どもの思いを聴き代弁する~

誰にも言えない思いを聴く

子どもは、親には言えない、先生には言えない、友達には言えない、といったことがあります。

その理由は様々で、わかってもらえないだろうから、とか、怖いから、とか、心配かけたくないから、などがあります。

スクールソーシャルワーカー(以下SSW)は、そんな誰に話してよいか迷うことを聴くことも大事な業務だと思っています。

不安が大きくなっていたAさん

Aさんは、在籍校に拒否感がありました。

登校できない期間は長くなっていて、でも、登校してみよう、ということになり、Aさんも納得の上、登校してみることにしたのでした。

試しの登校は上手くいき、保護者さんはこれで登校できるようになるかもと、とても期待しています。

一方、実はAさんは不安が大きくなっていたのでした。その一部は保護者さんに言えていたのですが、やっぱり登校したくない、できない、と涙が出るほど不安であることは言えないでいたのです。

そして、私との定期面談の時に泣きながら不安を伝えてくれたのでした。

その不安を保護者さんや先生たちに知ってもらった方が良いと思うと伝えると、先生には伝えて良いとのことですぐ伝えました。

すると、先生は、もっと早く知りたかったとおっしゃっていました。

丁寧な支援計画を立てていたならば

反省したのは、面談ごとにスケーリング(注1)しておくんだったということ。

月に1回の面談で毎回不安度を質問していたら、もっと早くに不安がだんだん大きくなっていることやどんなことが不安なのか、それに対して支援できることはないのか、考えられたと思うのです。

では、なぜこのようなことになったかと言うと、甘えもあったと思うのです。

今までAさんは辛いことがあると自分から話してくれたから、また何かあればAさんから話してくれるだろう、という甘えです。

SSWとして、自分なりの支援計画が雑であったと思います。

Aさんの強さを信じ続ける

Aさんは、受診の時しか外出できなかったときからかかわっていて、それが、近所のコンビニへ行けるようになるところから徐々に日常を取り戻していけたお子さんです。

登校についても、その時と同じように、最初は抵抗感があるけどきっと乗り越えられることを伝えました。

すると涙は止まり、「そうだね、そうかもしれないね。」と答えてくれました。

今年度、事情が変わりAさんの担当ではなくなってしまいましたが、のりしろをもって引継ぎし、Aさんの強さを信じ続けることが私にできることだと思っています。

 

(注1)その状況に対する思いの度合いをを数値化すること