スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

普通級にADHDの子どもがいる価値

子どもたちにとって先生は怖い

「違うよ~!先生が怖いんだよ~!」

と叫んだAさんはADHDですが普通級に在籍しています。

こう叫んだのにはもちろん理由があります。

クラスの一番後ろの席の子がお互いに足を蹴り合って遊んでいました。

それを見つけた担任の先生が

「いいよ~、もっとやればいいじゃん。」

とその二人に近づいてクラス全体に聞こえる声で言い、

見つかった二人はもちろんその後蹴り合うことはしませんでした。

それに対し担任の先生は、

「やっていいよって言うとやらないんだよね~

 隠れてやるから楽しいんだろうね~。」

と言ったのでした。

それに対しAさんが叫んだのが

「違うよ~!先生が怖いんだよ~!」

だったのです。

担任の先生はそれに対し、

「え~?!先生怖くないでしょ~?」

とこれもクラス全体に言いました。

クラスの子はAさんと同様に

「怖いよ~!」

と口々に言っていました。

Aさんが普通級にいるおかげ

Aさんが叫んだおかげで、

子どもたちは自分の本当の思いを言うことができたと思うのです。

言えなかった子もいるとは思いますが、

自分の思いを代弁してくれたことで気持ちが晴れたと思うのです。

ADHDのお子さんは情緒級に在籍することもできます。

でも、普通級にいることで、

今回のようにクラスのみんなにとってプラスに働くこともあります。

そもそも、人は大なり小なり特性を持っています。

そのお互いの違いを認め合い、

違っているからこその支え合いを体験する機会を得るためにも、

普通級で発達障害のお子さんがのびのびできる環境が整うと良いと思っています。