スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

WISCの結果が想定外

登校渋りのきっかけと原因

Aさんは登校渋りがあります。

それが思いのほか長く続いてしまいました。

きっかけは、担任の先生からの「もうちょっと頑張って。」という言葉がけでした。

え、そんなことがきっかけになるの?と驚かれる方もいるかもしれません。

でも、それが現実です。

この言葉がけには何の問題もありません。

特に厳しい口調でおっしゃったわけでもなく、つるし上げて伝えた場面でもなく、

通常の生活の中でさらっと伝えられた言葉を

Aさんはプレッシャーに感じてしまったようでした。

では、Aさんに「頑張って」を担任が言わなければ

登校渋りがおさまるかというともちろんそんなことは無く、

Aさん自身やご家庭に何かあるように思いますし、

コロナ渦であることなども影響して登校渋りは続いているように思います。

AさんのWISCの結果

その後、保護者さんは病院受診をし、WISCも受けることにしました。

そして、それが想定外な結果となったのです。

そもそも3年生で行った知能検査では平均的な結果が出ていたので、

大きな凹凸の差があるとは予想していませんでした。

この結果を聞く覚悟が保護者さんにあるのか心配になってしまいました。

予想は的中し、保護者さんは面談中何度も涙を流されていました。

涙の理由は聞いてはいませんが、

抱えきれなさはあったのではないかと思っています。

差が大きいと生きづらい

WISCの結果は項目の数値の差が大きいと生きづらいと言われています。

そして、どう生きづらいのかのイメージがしにくいようです。

私は、車のタイヤに例えると分かりやすいように思います。

WISCの四つの項目をタイヤに置き換えたとき、

項目の数値がタイヤの半径だとしたら、

数値の差が小さければタイヤの大きさが同じくらいとなり問題なく走れるのだけれど、

その差が大きければ走りにくくなってしまうことは容易に想像できると思うのです。

脳の使い方の特性がタイヤの大きさがそろっていない車の走行と同じ、

と想像してもらえば、大変そうだな、というのが分かるように思います。

Aさんの今後

私と担任の先生は、おいおいは情緒級を勧めた方が良さそうと思っています。

もちろん、WISCの結果だけでなく、クラスの中でのAさんの言動や、

個別で関わった時のAさんの言動から判断しています。

このままだと登校渋りから不登校になってしまうのではないかと想像しています。

しかし、管理職は普通級という考えのようです。

Aさんの今後について、定期的に会議が必要と感じています。