スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

SSWの私が道徳のゲストティーチャーに

私の勤務する学校のA教頭先生は考え方が先進的です。

「制服なんてなくていいって思ってる。」

とこっそり話してくれた時はかなり嬉しかったです。

A教頭先生は子どもの個別の事情を理解してくださる数少ない先生の一人で、

安心していろいろな話ができます。

そんなA教頭先生から私に「道徳の授業をやってみないか」

と提案されたことがありました。

もちろんその時はその場で断りました。

私は大勢の中学生への一斉授業は経験がありませんので躊躇したのです。

 しかし、しばらくして、あの提案はチャンスだったのでは?

という気持ちが沸き上がってきました。

そして、次にA教頭先生にお会いしたときに、

「一回お断りしたけれど、やっぱりやらせてもらえませんか?」

と聞いてみると、即答でOKが出ました。

そして、単元としては「違いを認める」

福祉的には「多様性の尊重」についての授業を行うことが決まりました。

 

私はスクールソーシャルワーカー(以下SSW)のかたわら、

コーチングゲームのトレーナーとしてワークショップ等を不定期に行っています。

それをアレンジしてオリジナルワークショップ(以下WS)を作り、それで行いました。

授業の前後で「違う」から受け取るイメージの数値化と、作文を書いてもらいます。

違うと聞いた時、ものすごくどんよりした嫌なイメージを持つ場合は「1」、

ウキウキするような良いイメージを持つ場合は「10」、どちらでもないは「5」。

数直線上に印をつけてもらうと、WS前はほとんどの子は5以下、

後はほとんどの子が前より数字が上がりました。

振り返りの作文の中でも、違うことに対して肯定的な考えに変わった、

と書いてくれる子が多く、

それを狙っての授業だったので当然の結果ではありますがかなり嬉しかったです。

でも、それよりなにより嬉しかったのが子どもたちが楽しそうであったこと。

楽しい授業は心に残ります。

「違う」に対する肯定的イメージが楽しいという気持ちと結びつき、

その子自身に浸透してくれると思うのです。

 

 

今回、福祉の専門職であるSSWから子どもたちへ、

「多様性の尊重」への第一歩となる「違いを認める」

を伝えることができたことを大変ありがたく思っています。

きっかけを与えてくださった教頭先生、

実際に行うことを許可してくださった校長先生、

準備や打ち合わせの時間を作ってくださった学年部の先生方に心から感謝しています。

そして、これが来年度以降も継続できることを願い、

煙たがられない程度にアピールしようと思っています。