教頭先生との会話
その日、学校に着くなり教頭先生が私のそばにやってきました。
教頭先生は、学年主任の保護者対応に対しアドバイスした内容を私に話し、
「これで良かったかな?」
と私に尋ねてくるのです。その内容は福祉的には大変ありがたい対応でした。
しかし、学校の管理職という立場から考えると批判が出そうな対応でもありました。
私は管理職である教頭先生に良いとか悪いとか言える立場ではないので困りつつ、
また、本当ははっきり「良い!」と言いたいところそれも言えず、
「えぇ~と・・・イイと思いますけど~・・・
でも~・・・私が良いとか言える立場じゃないですし~・・・
ですが~・・・福祉的には大変ありがたい対応です!」
と、しどろもどろなお答えをしました。
学年主任との会話
そして、その同じ日、保護者面談を終えて一息ついた時、今度は学年主任に、
「あの話し方で良かったかな?」
と尋ねられたのです。私は「本日2度目?え?」と困る気持ちをそのままに、
「えぇ~と、どのあたりの事でしょうか?」
と質問すると、私と保護者の面談が始まる前、学年主任が保護者へ今後について伝えた時の話し方があれで良かったか不安だ、とおっしゃるのです。私は、
「良いも悪いもなく・・・普通の対応というか・・・問題ない話し方だったかと思いますが・・・私がこんなこと言える立場ではないような気がするんですけど・・・。」
と恐縮して答えました。
私の思い
おそらくお二人とも私より年上であるし、
学校教育現場に長くいらっしゃるベテラン教諭です。
そんなお二人に「これで良いかな?」と聞かれるなんて思っても見ず、
なんていうか心底恐れ多い気持ちでいっぱいでした。
「これで良かったかな?」で始まり、「これで良かったかな?」で終わったその日。
「これで良いかな?」と訊かれても、「これで良いです!」なんて言えない私です。
言える私になったほうが良いのか、
いや、言える私にならないほうが福祉職らしくて良いのでは?と思っています。
『頼りにならないけど、一緒に考えてくれる人』そんな人でありたいと思っています。