スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

ベテラン先生の知恵で1週間後には解決

怖くて校内に入れない

Aさんには特性があります。

年度初めに登校を渋り始めましたが、なんとか登校できていました。

ところが、ある日突然いろいろなものが怖くなり、怖いから学校に入れない、

と言うようになりました。

担任の先生も目をつぶらせて手を引いて校内に入れてみようとするなど、

いろいろ手を尽くしてみましたが成功しませんでした。

相談を受けた私も、何か好きなものを見つめさせたらどうか、

等いくつか提案してその日は終わりました。

Aさんが怖がってない?!

1週間後の勤務の日、校内巡視をしていると、

Aさんが担任の先生と手を繋いで廊下を歩く姿が目に入りました。

いろいろなものを怖がって泣いていたAさんを1週間前に見ており、

また、いろいろ手を尽くしても変化がないことで困っていたはずなのに、

どういった経緯でこの状態になったのか担任の先生に尋ねてみました。

Aさんが怖がらなくなったのは

その後、担任の先生は学年主任の先生にも相談したそうなんです。

すると、学年主任の先生は「〇月のイベント参加チェックシート」を作ってくれ、

そのチェックシートでAさんの行動をチェックしたそうなんです。

例えば、「8時までに登校して着替えも終えている」などです。

これが全部できてないとイベントに参加できないよ、と伝えたようなんです。

すると、次の日から何事もなかったように登校できるようになり、

怖がらなくなったのです。

とは言え、時々登校時にパニック状態のこともあるようで、

そんな時は「〇月のイベント参加チェックシート」を見せると

何事もなかったかのように落ち着いた、とのことでした。

私は難しく考えてしまった

Aさんについてアセスメントする中で、

いろいろなものを怖がる症状の改善は難しいと考えてしまっていました。

本人に特性があること、また、家庭もいろいろあるようでしたので、

そういったストレスもあっての今回の行動と見立てていました。

だから、かかりつけ医にアドバイスもらうことや、

家族間調整が必要なのかもしれない、といったことを考えていました。

それを、ベテランの学年主任の先生は

長年の経験からの知恵で乗り切ってくださったのでした。

学校でできる支援がある

今回のことを振り返って思うのは、

改めて先生たちのポテンシャルは高いということ。

そして、つい自分が原因や問題に焦点を当ててしまっていたことは、

福祉職として最善ではなかったと反省。

先生たちと一緒に、学校でできる支援、

学校だからできる支援を見つけていくことも

スクールソーシャルワーカーの活動の一つだ、と、改めて思いました。