スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

教員の家庭訪問に同行して思うこと

学校行かない宣言

「学校へは行かない、行く意味がわからない。」

と言って学校に来なくなってしまったAさん。教頭先生から連絡をもらい、Aさんのお宅に家庭訪問することになりました。

スクールソーシャルワーカー(以下SSW)一人で家庭訪問することもあるのですが、今回は担任の先生とAさんの保護者さんとすでに関係ができているB先生に同行し、3人でAさん宅に向かいました。

事前打ち合わせ

家庭訪問前、最近のAさんの様子を担任の先生から伺いました。担任の先生は、立場上登校を促さなければならない、という思いと、個人的な意見としては、今は欠席が続いてもしょうがないのかな、という思いの両方の思いを持つがゆえに辛そうでした。私は、登校を促せば促すほどAさんは心閉ざすと考えていたので、担任の先生に今回は後者の意見を伝えた方が良いように思うこと、そしてその理由などを話させてもらいました。B先生とも簡単な事前打ち合わせをし、今回は登校を促すのではなく、ざっくばらんにAさんの気持ちやお母さんの気持ちを聴いてこよう、ということになりました。

Aさん耳だけ参加

家庭訪問すると、Aさんはリビングに現れてくれませんでした。毛布をかぶって隣の部屋にいました。隣の部屋とは扉を開ければつながるので、Aさんは耳だけの参加となりました。Aさんは事前に自分の思いをお母さんに伝えたとのことで、お母さんがAさんの思いを話してくれました。結局のところ、Aさんは「学校は楽しくないから行きたくない」、お母さんは「楽しくなくても学校へは行ってほしい」、と平行線のままということが分かりました。

お母さんとの関係

Aさんは今思春期だと思われます。なので、お母さんが学校へ行ってほしいと言えば言うほど行かないように思うんです。お母さんが「行けるようになるまで待つ」という姿勢になると、Aさんも少しは態度が変わるんじゃないかな?と私は思っています。しかし、担任の先生が「今は休む、といった選択もいいんじゃないかと思う。」ことを伝えると、お母さんの表情が曇ったように見えました。また、先生たちはお母さんの話の途中で遮ってしまうことが何度かありました。私は聴くプロだと思っているのでそこが気になってしまいました。切りのいいところで話の続きが言えるようサポートしていました。子どもの変化を望むとき、お母さんへのアプローチは不可欠だと思っています。お母さんの話を十分に聴くこと、お母さんに寄り添い労うこと、まずはそこを大切にしたいと考えています。

認識の違い

家庭訪問を終えて学校に戻り、主にB先生から管理職に概要を伝えてもらいました。B先生は、たくさん話が聞けました、とおっしゃっていましたが、私からすると、先生たちが話していた割合が高いと思いました。また、先生方のペースで面談の時間が過ぎていくことも心配に思いました。お子さんや保護者さんが自分の思いを十分に聴いてもらえた、といった感覚を持てないと次につながりません。そこが少し心配です。この心配をどうやって管理職に伝えるか、その時その場では言えませんでした。どのタイミングでどのように伝えるか、難しさを感じています。