スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

TEACCH®自閉症プログラムを受けて反省

暴力行為が止まらないAさん

Aさんはクラスメートや支援員を、叩いたり蹴ったり頭突きをしたりということがあります。

私はこれらの暴力行為をやめさせたい、暴力が出そうになった時自分で自分の行動を止める力をつけてほしいと思いました。

その理由は、私の担当するBさんが、自分の暴力行為により家族と離れて暮らすことを余儀なくされてしまったからです。

子どもは基本的には親と暮らしたいという思いがあると思います。

虐待されているお子さんですら、親の虐待は自分に非があると親を肯定しているお子さんがいます。

Aさんだって、親と離れて暮らしたいとは思っていないと思うんです。でも、今のまま暴力が続けば、そうなってしまうのではと危惧しています。

そして、Aさんの暴力を自制する力をつけさせたいと思い、行動観察することにしました。

Aさんに指導

試しに、Aさんに暴力について厳しく指導してみました。

すると指導後、力任せに叩いていた力が弱まったのを観察することができました。

Aさんには自制できる力がありそう、と見て取れました。

私はAさんが暴力をふるう場面を見るたび、厳しく指導しました。

支援員さんにも、暴力には毅然とした態度で対応するようお願いしておきました。

その結果、支援員さんは以前より暴力は減った気がすると伝えてくれました。

SSWが指導的にAさんに関わることが良いことなのか自信が持てないままでしたが、良い方へ向かっているように見えたので、良しとしようと思うようにしていました。

指導は最善だったのか

最近、TEACCH®自閉症プログラム講座を受講し、この自分の行為を反省しました。

私は、自分が経験したBさんのことから、独りよがりな支援方法を選択しました。

自分の中に沸き起こる恐れから選択してしまっていたと今は思います。

Aさんについて、アセスメントを丁寧に行い、できていること、でき始めていることを支援することで、暴力行為は消えて行っていたのかもしれない、と思うと、私がやったことは不要な支援だったように思うのです。

SSWとしての自覚のない行動だったと反省しています。

Aさんについてアセスメントを丁寧に行い、現時点で一番必要な支援を積み重ねていくことを大切にする立場であることに戻らなければと思いました。