スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

人はその人の精一杯を生きている

怒りに震える

SSW1年目、怒りに震えた出来事があります。

不登校のお子さんの担任のA先生が、強い口調で

「アイツが(学校に)こなくても俺には関係ない!困るのはアイツら親子だ!」

と職員室で大声で言い放っていた時です。

「好きで不登校になっている人なんていないのに、なんて言い方するんだ!」

と、私は一気に怒りの感情が噴出しそうになるのをこらえ、

それゆえに唇が震え、目に涙がたまってしまっていました。

そして、それがこぼれ落ちないように遠くを見つめていると、

ちょうどそのタイミングで教頭先生に話しかけられて

涙がぽろっと落ちてしまいました。

A先生のその言葉は教頭先生も聞いていました。

なので教頭先生は

「ごめんね、辛い思いさせちゃったね、A先生どうしちゃったのかなぁ。」

と私に寄り添ってくださいました。

不登校になりたくてなるお子さんなんていません。

いろいろなことが運悪く絡んでしまい不登校という状況になっていると思うのです。

A先生の発言は、それを理解していないように感じましたし、

彼らを見捨てるような言い方だと私は感じてしまったのでした。

捉えを換える

しかし、「人はその人の精一杯を生きている」ということを

NLPで学んだことを思い出し、怒りを収めることができました。

また、Points of you®で学んだ

「正しい間違いはない、あるのは視点の違い」を思い出し、

A先生は保護者とのやり取りで嫌な思いをしたのかもしれない、とか、

お子さんのことを思うがゆえに保護者に対し怒りが表出したのかもしれない、

といったことを推察し、私の怒りはすっかり消え去りました。

有終の美

こうして、その後も私とA先生との関係は変わらず、

むしろA先生はなぜか時々差し入れをくれることがありました。

それが誰からの差し入れよりもなんだか嬉しかったです。

また、私をゲストティーチャーとして起用してくださいました。

これもかなり嬉しい出来事でした。

令和2年度、A先生は退職となり、お別れの品を手渡して下さいました。

その時、「直接渡せて良かった。」とおっしゃってくださった言葉にジンときました。

私は何も特別なことをしたつもりはないけれど、

A先生は私に感謝してくださっていたことが伝わりました。

SSWとして年度終わりの締めの有終の美を飾っていただいた気持ちでいます。