スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

見たことある人になる

校内巡視は業務の一つ

私が勤務する自治体において

スクールソーシャルワーカー(以下SSW)の業務は、

①問題を抱える児童生徒が置かれた環境への働きかけ

②問題を抱える児童生徒への必要に応じた支援

③関係機関とのネットワークの構築、連携及び調整

④学校内におけるチーム体制の構築及び支援

⑤保護者、教職員等に対する支援、相談、情報提供

⑥教職員等(地域の方々、保護者など)への研修活動

などが挙げられています。

校内巡視は、①②④⑤に当たるのかなと思っています。

学校内を歩き回ることで子どもの様子や環境が見え、

問題が起きていたらその場で支援をしたり、

教員と情報共有して今後の対応を検討することで環境への働きかけをしたり、

教職員数人で行えば、それはチーム体制を構築したことにもなります。

校内巡視で目が合う子

私は、「何かあったら何でも聞くよ」

といった思いを持って、微笑みながら校内を歩き回っています。

すると、元気な挨拶をしてくれるお子さんもいれば、

私の存在を空気のように扱うお子さんもいます。

また、目が合うだけのお子さんもいます。

目が合うお子さんとは後々つながる、

といったことがあると経験値的に感じています。

 

 

それは、事情のあるお子さんは、

そういった非言語的なシグナルを受け取りやすいからだと思っています。

見たことある人になる

私が今支援しているAさんとの初めての出会いは図書室でした。

授業中なのに図書室でポツンと一人読書をしていたのです。

この時目は合わず、私が一方的に姿を見ただけでした。

Aさんのことが気になった私は、情報収集し、意識的に観察するようにしました。

そして、Aさんが教室にいるときにばちっと目が合いました。

私はお子さんと目が合った時、笑顔で軽く会釈をするようにしています。

それを会うたび繰り返します。

そうしているうちに、Aさんにとって私は知らない人ではなく

「見たことある人」になったのです。

Aさんとの繋がりがスムーズに

ある日、Aさんは教室に全く入れなくなり、

管理職の先生から、相談室でAさんの話を聞いてほしい、と言われました。

Aさんと私は初対面だと思われていましたが、

Aさんとは既に顔見知りになっていましたのでスムーズに繋がることができました。

管理職の先生はそんな私たちを見て安心されていました。

 校内巡視はSSWの業務を知らない人からすると

ただ廊下をプラプラしているように見えますが、

実はかなり有効な業務だと思っています。