スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

遊びでエンパワメント

不機嫌なAさん

Aさんはその日、朝から不機嫌になる出来事があったようでした。

まずは何があったかを聴きました。

私はそんなことがあったんだね~と聴くのみです。

そうすると、次にクーピーを取り出し、

これがお母さん、これが妹、と、クーピーを家族に見立てて配置し始めました。

次はおばあちゃんの家の様子、その次は教室の様子、

そして、教室の様子を話すとき、これ担任、といって、バキバキと折り始めました。

次に、これは安倍首相、など英単語カードを人に見立てていきました。

途中から、私に問題が出されました。これは誰でしょう?って。

わかるわけないんですよ。Aさんが独断で決めているので。

ヒントをもらってなんとか当てて、でも、当たらないとAさんは笑っていて。

最後はそのカードで神経衰弱のようにして遊び終えると、

Aさんは次の授業には普通に参加したのでした。

心がけていること

スクールソーシャルワーカー(以下SSW)として、私がかかわりを持つときに心がけていることがあります。

それは、その1回のかかわりで少しでもエンパワメントすることです。

私がかかわる方々は少なからずお辛いことがある状況です。

私とのかかわりの中で、表情が緩む、身体の硬さが取れる、

そんな風になるよう心掛けています。

例えば、面談で、人に言えない辛さを吐露することで癒されたり、

ご自分の考えが整理されることで気持ちが晴れたり、

できそうなことが見えてきたり、

といったことで、少しはエンパワメントできているように思っています。

 遊びで子どもをエンパワメント

子どもをエンパワメントするには、やっぱり遊ぶことだと実感しています。

児童精神科医佐々木正美医師は

「こどもが勉強で創造性を高めることは滅多にない。

 それは遊びの中で育っていく。」

との言葉を残されています。

子どもは非言語的に成長したいという思いを持っていると思っています。

子どもは自分自身で何かできたなどの成長を感じ取れた時、

もっと何かしてみよう、という意欲に繋がっていくのだと思います。

SSWは学校内を見て回ることができます。

早期発見早期介入でエンパワメントし、

子どもが望む日常生活がおくれるよう支援していきたいと思っています。