『子どもの権利条約』とは
子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約で、
日本は1994年に批准しています。
批准した国は定期的にそれまでの取り組みについて国連に報告しなくてなりません。
子どもの権利は大きく分けて四つあり、
「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」です。
『子どもの権利条約』に対する温度差
学校では「子どもの権利」を意識した教育をしてほしいと
スクールソーシャルワーカー(以下SSW)として思っています。
そして、教育現場が「子どもの権利」を意識した活動をすることで
世の中もそういった意識に徐々に変わっていくように思っています。
私の担当していた学校の一つは、
『子どもの権利条約』についての掲示物が事務室窓口横に貼られていました。
多くの方の目に触れるだけでなく、
掲示されている位置が子どもの目にも触れる高さで、
その学校が「子どもの権利」を意識した教育をしようとしていることが伺えました。
一方で、別の担当校の生徒指導主任との雑談の中で、
「『子どもの権利条約』ってあんまりね~・・・。」
と、遠回しに良く思っていないことを伝えられ、かなりショックを受けました。
「権利」が日本にまだ馴染んでいない
以前SSWで「子どもの権利」について話している中で、
学校に「子どもには権利がある」といったことを伝えると煙たがられる、
と聞いたことがあったことを思い出しました。
学校は、教員は教える人だから上、子どもは教わる人だから下、
子どもは大人に従えばいい、という意識の教員が少なからずいらっしゃり、
そういった意識が子どもからの権利の主張を許さないのかな?と推察しています。
それに、まずは日本という国にまだ権利を主張することがそれほど根づいていない、
ということも影響しているように思います。
人(子どもを含む)にはいろいろな権利があること、
そのいろいろな権利を主張できること、
そういったことも学校から子どもたちに伝えていくことで
社会は変わっていくと思っています。
「子どもの権利」が当たり前に守られる社会を望んで
子どもの権利を良く思わない教員の発言にノックアウトされた気分でいましたが、
その後、子どもの権利委員会に所属する弁護士の方に
この話を聞いていただく機会があり、
その方も同様にショックを受けてくださったことで救われました。また、
「教員の中にも味方は必ずいるはず。味方を少しずつ増やしていきましょう!」
という心強い言葉をいただき、気持ちが前向きになりました。
「子どもの権利」を守りたい、そう思ってくれる教員の輪が広がるよう、
SSWとしてできることを見つけ実行していきたいと思います。