スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

子どもの困っているをキャッチする先生

いろいろありすぎたA校

A校はある年いろいろなことが起き、私はたくさんの依頼を受けていました。

越権行為と言われそうですが、次年度、平穏な学校環境となるよう、担任は子ども目線で決めてほしい、などの福祉的な意見を都度都度伝えていました。

そのかいあってか、年度が変わるとA校は雰囲気ががらりと変わりました。

まずは、校内暴力が零になりました。

前の年は毎日のように暴れるお子さんが複数いて、私も取り押さえに参加したことがありました。

先生たち、とくに管理職が疲弊しているのを感じていました。

自傷行為や虐待、家庭内暴力などもあり、これらに関しては学校ができることは限られていますが、それでも、できることをやってくださいました。

先生方が保護者さんの困り感に寄り添い、一緒に考えながら子どもへのかかわりを変えてくださったのです。

そうやって、ひとつひとつ丁寧に支援していったことで、いろいろな課題が落ち着いていきました。

困り顔の子ども

落ち着いたその年、私は余裕をもって校内を見回っていることが多くなりました。

そして、つい、支援員のような動きをしてしまうこともありました。

支援員ではないので、直接の支援は必要最低限と気持ちを引き締めたある日、困り顔のお子さんが廊下で立っていました。

気持ちが引き締まっていない私であれば、「どうした?」と声をかけてしまっていたでしょう。

その時は、とりあえず、その子がこの後どうするのかをしばらく見守ってみました。

すると、学年主任のB先生が優しい口調で「どうした?」と声をかけてくれました。

B先生はちょっと圧の強めの先生だと感じていましたので、優しい口調に驚きとうれしさを感じました。

本当はこの感じたことをB先生に伝えたいのだけど、私が言うのは違うかな、と思い、伝えずにその日に仕事を終えてしまいました。

そして思ったのが、管理職に伝え、管理職からB先生に伝えてもらえば、B先生もうれしいのではないかということ、そして、管理職にもB先生の良さが伝わり、職員間の関係性も良くなるのではないかということでした。

問題が起きていない時にスクールソーシャルワーカーとしてできること、それは、学校環境をより良くすることだと思っています。

その一つに、先生たちのエンパワメントがあると思っています。

子ども達にとって、大きな影響のある環境と言える先生たちに、常に余裕をもって教育活動してもらうことはとても重要だと考えています。