スクールソーシャルワーカーのひとりごと

守秘義務に配慮して綴っています

ケース会議の反省

 

 

ケース会議は誰が提案?

そのお子さんの大人側から見た困った表れは、お子さん自身が困っていると捉え、必要に応じてケース会議を開いてもらうことがあります。

私から提案することもありますし、保護者さんが希望することもありますし、先生から提案されることもあります。

大体のケースが、いろんな要因が絡んでいてどこから手をつけていいかわからなくなってから私のところに話がくるので、こうなる前にケース会議を開きませんか?ということをお伝えするようにしています。

学校が希望したケース会議

Aさんは欠席は少ないけれど遅刻が多く、その時間もどんどん遅くなっていることを先生たちが心配し、ケース会議を開いてくれたのでした。

Aさん自身に特性がありそうということ、学校では馴染んで過ごしているように見えるけれど家では不安や不満を口にすること、父親は高圧的、母親は精神的に浮き沈みがあるようで、家庭環境は不安定な様子です。

こういったとき、学校からは、家庭をなんとかしてほしい、や、お子さんを変えたい、と言う話になりがちで、この時もまずはそういった話になりました。

私は、福祉職として、学校でできる小さなところから支援することで好循環を生み出しませんかと提案し、ストレングス視点で進めていました。

すると、生徒指導主任のB先生が「Aさんが学校楽しい、って思えるようにすることだよね~。」とおっしゃってくださり、私は思わず笑顔になり拍手をしてしまいました。

そして、その視点で具体的な支援方法を出し合いました。

B先生は、「給食に毎日デザートつけちゃうか?無理だよね~。」と、自由に発言できる雰囲気を作ってくださいました。

すると別の先生が、「デザートは無理だけど、お楽しみ会はできるのでは?」と提案してくださいました。

そして、いくつか支援方法も決まり、それぞれの行動が決まりました。

なので、ケース会議の形としてはまあよかったのでは?という思いで会議を終えていました。

ケース会議後の心残り

会議としては、無理のない支援方法が具体的に決まって良かったとは言えますが、気になることや反省はあります。

一番気になったのは、担任の先生の表情があまり明るくならなかったことです。

ケース会議は担任の負担感を軽減することも目的の一つです。その目的が果たせたとは言い難い終わりであったと感じており心残りです。

家庭でお母さんが元気だと子どもに良い影響があるように、学校では担任の状態が学級の子どもたちに影響すると思うのです。

約60分の会議で辛さを軽減することの難しさを感じると同時に、これをきっかけに、担任の先生が少しずつ明るくなっていきますように、と願うことしかできないもどかしさも感じています。

反省点として一番にあげたいのは、B先生の意見に笑顔で拍手してしまったことです。

ファシリテーターは中立な立場であらねばならないのに、B先生の意見が「良い」とジャッジしているような行動をとってしまったことは、ファシリテーター失格だと思います。

つい、自分の持つ理想に近いところに共感の意を表してしまうのは私の特性です。

今回の反省を心にとめて、よりよいケース会議を行えるよう意識したいと思います。